Jリーグではなかなか大型キーパーやバックが育たずにすぐ海外へと移籍してしまう

柏

マスコミ関係者や一般サポーター達の間で、Jリーグではなかなかキーパーとバック(ディフェンダー)が育たない事が問題視されてきました。その理由として挙げられる事はたくさんあります。例えば、少年たちが読む歴代のサッカー漫画は中盤の選手や前線の選手を主人公にした作品ばかりです。ゴールキーパーやセンターバック・サイドバックの選手を主人公にした作品は皆無の状態となっています。そして、中盤や前線の選手が主人公である漫画作品において、キーパーやバックは憎きライバルとして描かれるような事が多い状況です。そのため、少年世代においてキーパーやバックに憧れる選手はなかなか現れず、優秀な選手の多くは中盤より前のポジションでのプレーを希望します。

漫画の世界だけでなく実世界でもメディアに注目されるのは前線や中盤の選手ばかりで、キーパーやバックの選手が注目される事はほとんどありません。そんな中、世間からもっと評価されたい・注目を浴びたいと願う大型キーパーやバックは、Jリーグで成功して海外のオファーが届いたらすぐに移籍してしまいます。具体的に言うと2017年シーズンにおけるJ2のアビスパ福岡での活躍が認められて10代後半の若さで欧州に移籍してしまった冨安健洋選手がいい例です。欧州クラブから青田買いされた冨安健洋選手は現地で急成長して日本代表にも定着し、2018-2019シーズン終了後にはセリエA移籍を果たして大きな注目を集めています。

キーパーやバックに対する評価・注目度が低すぎると今後もどんどん大型選手が青田買いされていく可能性があります。また、試合に負けると失点に絡んだキーパーやバックに対して激しいヤジを浴びせるのも悪いところです。そんな中、メディアにもサポーターにもキーパーやバックに対してより強い敬意をもつ姿勢が求められています。